日本経済新聞社大阪本社が6月10日に大阪市内で開催した「大阪・関西万博 レガシー継承イベント 万博後の新たなムーブメントの創出に向けて」で、社会課題の解決に向き合う学生グループ9団体がそれぞれの活動を紹介するポスターを展示した。
休憩時間にはこのうち7団体が壇上でも発表。アトピー性皮膚炎の小学生向けに、かゆみを抑える緑茶染めインナーやシャツを開発する「SkinNotes(スキンノーツ)」と、ポジティブな防災文化の創造に取り組む「OLEA(オレア)」は、新たな共創相手を求めて呼びかけた。万博の機運醸成に向けて発足した関西大学の「KU NEXPO(ケーユーネクスポ)」や「立命館大学万博学生委員会おおきに」は、閉幕後も活発に活動していることを伝えた。歴史のある「関西学院大学新聞総部」や、万博閉幕後に設立した小中学生向け教育活動を手掛ける「MaP(マップ)」、中高生向けSDGs動画コンテストを運営する「SASS(サース)実行委員会」も、それぞれの取り組みを紹介した。
ポスター展示は、来場者らの投票で最優秀賞などを選出。SkinNotesが最優秀賞、OLEAが優秀賞を受賞した。





かゆみケアに緑茶染め肌着
SkinNotesのチームメンバーがアトピー性皮膚炎の当事者。アトピー患者はかゆみを我慢できずにかいてしまい、症状が悪化するのが悩みだ。そこで対策として「緑茶染めインナーシャツ」を考案。緑茶染めに含まれるカテキンには、アトピーのかゆみの原因の一つである黄色ブドウ球菌の繁殖を抑制する効果があり、着るだけでかゆみをケアできる商品として開発を続けている。
万博会場でインナーシャツについて発表したところ、当事者だけでなく、家族からも問い合わせがあった。また、インナーシャツの効果の検証をグラフで分かりやすく示し、悩みのある親子向けのコミュニティづくりの現状も記載していた。
代表の竹内悠人さんは受賞について、「アトピー性皮膚炎は、当事者だけでなく周りの人の理解も不可欠。関心を持ってもらえたことに感謝したい」と話した。

「ポジティブな防災」の文化創造へ
OLEAは、大阪・関西万博の市民参加型プログラムをきっかけに発足した。日本では災害が多発しているにもかかわらず、防災は難しく、面倒といったネガティブなイメージがあることを問題視し、「防災グッズを、大切な人へのプレゼントとして贈る」文化の創造を目指して活動している。
大阪や東京の百貨店で期間限定店舗を開いた実績を画像とともに説明。「手の届くところにある防災」を掲げ、企業や行政との共創を強化していく方針を示した。
広報担当の久保明日希さんは、得票数が多かったことについて「防災を文化として意識的に浸透させ、日常の中に受け入れてもらおうとする考え方に共感してもらえた」と分析。「ネガティブな防災のイメージをポジティブに変えたい」と強調した。

