「空飛ぶクルマ」と聞いて、想像上の乗り物だと思う人は今も多いだろう。私もその一人だった。
しかし、その未来は着実に現実へと近づいている。

SkyDrive(スカイドライブ)は、愛知県豊田市に本社を置き、空飛ぶクルマの開発を手がけるスタートアップ企業だ。同社は2026年8月21日から23日にかけて大阪市で開催された「Resona EXPO Re:Future」に出展し、多くの来場者の関心を集めた。PR室長の宮内純枝氏によると、空飛ぶクルマの実用化に向けて新たな法律を制定する必要はなく、既存の航空関連法規の枠組みの中で開発や認証手続きが進められているという。現在は、機体の安全性や性能を国が認証する型式証明の取得を目指して開発を進めている。

2025年の大阪・関西万博では、オリックスが整備したヘリポートにおいて関西電力の協力のもと無人飛行を実施した。この実証実験の意義として、「一般の人々に実際の機体を見てもらい、空飛ぶクルマを身近に感じてもらえた」と振り返る。また、普段は自社の飛行試験場で行う実験を外部環境で実施できたことも成果だったという。また、SkyDriveが実証運航の舞台として大阪に注目する理由について同氏は「大阪は万博を通じてサービスへの理解が一定程度進んでおり、新しいものを積極的に受け入れる土壌がある」と説明する。さらに、大阪コンソーシアムへの参画によって多様な事業者との連携が進み、実用化に向けた可能性も広がっている。
同社は2028年のサービス開始を目標に掲げる。大阪市内を結ぶ「大阪ダイヤモンドルート」では、移動手段としての利便性だけでなく、大阪の空を眺める特別な体験を提供したい考えだ。初めは観光を中心に展開し、その後は便数を増やしながら日常的な移動手段へ発展させる構想を描いている。

私自身も会場で展示機へ試乗体験した。機内でまず印象に残ったのは、高級感のあるシートと大きな窓だ。窓の外には展示会場の景色が広がっていたが、実際に飛行した際にはどのような眺望が見えるのかと想像せずにはいられなかった。
「空飛ぶクルマ」は、もはや遠い未来の夢物語ではない。近い将来、私たちが当たり前のように空を移動する日が訪れるかもしれない。
学生取材班:松岡秀明(立命館大学)
