サーキュラーと進む、循環型社会を共創する未来

大変な盛り上がりを見せる大阪・関西万博。人気パビリオンの一つ、ドイツパビリオン「わ!ドイツ」のディレクターのクリストファー・ヘッカーさんに取材した。

ドイツパビリオンの大人気マスコットキャラクター、「サーキュラー」は丸みを帯びた、愛らしいフォルムを持つ。キャラクターの名前、サーキュラーの意味は循環である。ドイツパビリオンは循環型経済をテーマとし、サークル状の建物や丸っこいサーキュラーの形も、循環の表現なのだ。

循環型経済では、資源消費の大幅削減や、廃棄物を出さないことを目標とする。館内ではドイツ全16州それぞれの取り組みや、循環型経済を推進する企業が紹介されている。入場時に1人ひとつずつ配布されるおしゃべりサーキュラーを壁面のスポットに当てると、詳しい説明を聞くことができる。弁当箱や洗剤などの日用品をはじめ、水素列車といった社会インフラなど展示内容は多岐にわたる。

さらに驚くべきは、パビリオン自体のサステナビリティーである。建物の90%以上が再利用可能な素材で作られているという。また、パビリオンでは公用車を持たないことや、レストランで提供する食材を日本で調達すること、万博全体で採用されている冷媒に水を使った空調を使用することなどでCO2排出量の削減に取り組んでいる。このようにパビリオンでの循環型社会への取り組みは非常に徹底されている。

(c) German Expo Pavilion / Hotaka Matsumura

ドイツパビリオンは循環型社会の重要性を伝えてくれる。だがそれだけではなく、同時に共創の重要性も伝えてくれた。パビリオンのスタッフは多くが若い世代だとヘッカーさんは話す。若い世代が万博を経験することによって、協力すれば万博のような大きなことでも成し遂げられると伝えたいとのこと。循環型経済に各国が取り組むことで、気候変動などの地球規模の課題解決へつながるだろう。国や文化の壁を越えて手を取り合い、ひとつの大きな「わ!」を作っていきたい。

学生取材班:小寺沙朋(立命館大学)

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