大阪・関西万博会場で「目指すべき未来のコンビニの姿」と題して、テーマウィークイベントが開催された。登壇したセブン-イレブン・ジャパンの大阪・関西万博プロジェクトサブリーダー、赤澤太一さんにお話しを伺った。

万博内にはセブン-イレブン2店舗が出店しており、いずれも2030年に向けた未来型店舗だという。環境に配慮した新商品や持続可能な未来を目指すための技術を多く取り入れている。
また、セブン-イレブン・ジャパンは大阪ヘルスケアパビリオンとシグネチャーパビリオンであるEARTH MARTへの協賛も行っている。
環境に配慮した工夫として、紙のポスターではなくデジタルサイネージ(電子掲示板)を活用したほか、値札は店内の照明の光で動作し続ける電子プライスを使用。人が踏んだときの振動で発電する床を一部に取り入れたり、水素エネルギーで発電した電力をスムージーマシンに使用したりもしている。これらの技術は今後、通常店舗に取り入れることも検討しているという。


おにぎりやサンドイッチなどの商品パッケージは、オレンジ、緑、赤のコーポレートカラーを使った万博店舗限定のデザインで、環境配慮素材の配合率を高めている。また、万博限定商品として、植物由来の代替たまごや海の環境課題の解決につながる海藻を配合した商品も並ぶ。これらの商品は「みらいデリ」のステッカーなどにより、さりげなくアピールされている。赤澤さんは「環境にいいから買おうではなく、『おいしい』から支持され、商品に付いているステッカーを見て、『環境に良いものを使っているんだ』と自然に気づいてもらえることを目指している」と話す。
新しい接客として、遠隔操作できるアバターロボット「newme(ニューミー)」も導入している。遠隔地にいる従業員が店内の客と直接会話するように対応でき、働き方の多様化と人が持つぬくもりを追求したものだ。ニューミーは大阪ヘルスケアパビリオン内でも活躍している。
万博限定で導入したファストフードの発券機に関しては、発券機からレジまでの導線に工夫した。発券してレジに行くまでの間に支払いの準備ができるようにして、レジ待ちの列が長くならないよう試行錯誤を重ねたそうだ。

赤澤さんは「環境やサステナブルに関する真面目なことにしっかり向き合いつつも、万博という晴れの舞台でのお祭りムードを大切にしている。今までのセブン-イレブンにはないようなポップな部分をお客様に楽しんでいただきたい」と思いを込めて語った。
今後、こうした未来型店舗が広がり、環境に優しく、かつ便利で楽しいコンビニがもっと身近なものになってほしいと感じた。
学生取材班:岡本彩也(大手前大学)