瀬戸内海の島で見つけた これからの暮らし方

福島 大悟

Daigo Fukushima


  • 大崎下島 島民
  • 一般社団法人まめな

#地域コミュニティ #相互扶助 #過疎地 #暮らし
#自律分散型社会


https://mamena.or.jp/

福島 大悟

Daigo Fukushima


  • 大崎下島 島民
  • 一般社団法人まめな

#地域コミュニティ #相互扶助 #過疎地 #暮らし #自律分散型社会


https://mamena.or.jp/

僕の父の故郷は、愛媛県宇和島市津島町後という人口5人の限界集落にあります。
僕は鯛も鮑も伊勢海老も獲れるような豊かな村が、なぜ過疎になるのかという素朴な疑問を持ちながら育ちました。

その疑問の答えを探そうと、高校進学時には過疎地域にある農業高校を選びました。地域活性化に関わる活動を⾏う中で、2019年に⼤崎下島(広島県呉市)に出合い、⼤学⼊学と同時にコロナ禍のロックダウンを経験したことをきっかけに、2020年から本格的に暮らし始めました。主な拠点を⼤崎下島にしつつも、2ヶ⽉間アメリカのビバリーヒルズでベビーシッターをしたり、半年間、新宿と大崎下島の⼆拠点⽣活をしたりするなど、様々な暮らしを経験しました。

情報通信技術やAIなどの発達に伴い社会が急激に変化しています。僕らが⽣きる時代、安定した成功への道などは決してなく、将来、どうなるのか誰にも読めません。僕はこれまで様々な暮らし⽅を経験する中で、「⾃分にとって何が幸せか」ということを考えてきました。そして、少なくとも僕にとって、金銭的に裕福になってたくさんのものを消費できたとしても幸せではなさそうだということが分かりました。

現在は、⾃然豊かな大崎下島にある久⽐地区で、多世代のメンバーとともに「まめな」というコミュニティーの運営を行っています。まめなでは、共有資源を共同管理する「コモンズ」という仕組みの下、まめなに参加する人に対して、住むところや食事、電気・ガス・水道などのインフラや活動環境といった、生活基盤の一部を提供しています。参加者は食堂や宿泊など、まめなが運営する事業所で働くことで、活動資金を賄います。加えて、建築や水資源、モビリティー分野において、テクノロジーを使って地域の生活を向上させるような実証実験の受け入れなども行っています。

また、久比には、各家に必ずある農床(のうとこ)と呼ばれる家庭菜園のスペースで野菜を自給し物々交換する風習があります。山菜や海の幸を保存食にしたり、平釜とよばれる大鍋で共同で煮炊きをしたりと、自然の営みの中からクリエーティブに暮らしを生み出す知恵が多く残っています。僕たちはそうした久比に残る暮らし方を学びながら、地域のおじいちゃんおばあちゃんたちを巻き込んで、自然と人とテクノロジーが共生した新たな相互扶助コミュニティーを作ることを目指しています。自然や営みの中から自分たちの手で生み出せる農村漁村地域での暮らしは最高に楽しいです。

僕が大阪・関西万博に期待するのは、「テクノロジーや新たな発想によってどのような課題解決の方法が提示されるのか」ということです。

僕たちが活動する久比地区は高齢化率が約70%に達した課題先進地です。様々なインフラやコミュニティーの維持が難しくなるなど、未来の日本や世界が直面するであろう課題が山積しています。世界中から多種多様な人やモノが集まる中で、実際に島の課題解決に役立つようなテクノロジーや発想が見られるのか。どんな未来を見られるのだろうとワクワクしています。

自然・人・テクノロジーの共生で新たな相互扶助コミュニティーを

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