『NATUREVERSE』の実現に向けて~パソナグループ創業50周年にあたり~

日本経済新聞社大阪本社が主催した「NEXT KANSAI フォーラム 2026」で2月18日、パソナグループの若本博隆CEOは万博レガシーとこれからの取り組みについて講演した。


創業者の南部靖之が大学卒業を目前に立ち上げた当グループは、2026年2月16日に創業50周年を迎えた。「社会の問題点を解決する」を企業理念とし、すべての人が才能を生かし、それぞれのライフスタイルに合わせて働ける社会を目指して事業を展開してきたが、次の50年は「NATUREVERSE(ネイチャーバース)」の実現を合言葉に、新たな挑戦を始めている。

「NATUREVERSE」は、大阪・関西万博に出展したパビリオン名でもある。「自然(Nature)」と「宇宙(Universe)」を組み合わせた造語で、人と自然、テクノロジーが共生し、人々が思いやりの心でつながることで、一人ひとりの、社会の、地球のWell-beingが実現した、真に豊かな世界を意味する。

WHO(世界保健機関)憲章では「健康」を肉体的、精神的、社会的に「ウェルビーイング(満たされた状態)」にあることと定義している。我々は「社会的に」の部分を「絆」に言い換え、からだ・こころ・きずなをテーマにパビリオンでさまざまな展示をした。

開催期間中は国内外から215万人以上が来場し、万博における最も創造的で革新的なパビリオンを表彰する世界的なアワード「ワールド・エキスポリンピック(World Expolympics)」の企業・テーマ館部門で銀賞に輝いた。


万博のレガシーとしてまず挙げたいのは「ネットワークのレガシー」だ。万博を通じて多くの企業や団体との新たな絆が生まれ、たとえばエイチ・ツー・オー リテイリングとは包括業務提携を締結し、阪急うめだ本店(大阪市北区)でアバター(分身)を介した接客の実証実験を始めた。「かおり」を軸にWell-being産業の創出を目指すエステー、食とエネルギーの自給率向上と循環型社会の実現を目指すヤンマーホールディングスなどとの連携も含め、万博をきっかけに多くの新しい関係を構築できたことはこれからの50年に向けた大きな財産になった。

2つ目に「人材のレガシー」もある。万博で働く人材の次のキャリアを支援する合同企業説明会「万博キャリアNEXT」には107社が出展し、2日間で約2500人が来場した。また会期中、会場に来られない小児病棟や児童養護施設の子どもたちに学びと感動を届ける「PASONA NATUREVERSE オンライン遠足」も実施した。このような取り組みを通じ、未来を担う人材や子どもたちに希望を届ける機会を広げることができた。

3つ目の「アイデアのレガシー」としては、万博会場で「NATUREVERSE INNOVATION EXPO」を開催。ビジネスコンテストや学生による未来ビジョンピッチ、パネルディスカッションを通じて、新たなWell-being産業の創造を後押しした。さらに10月には「NATUREVERSE Forum in Expo “Farm to Wellness -畑から始まるウェルネス革命-”」を開き、農業とウェルビーイングの融合による持続可能な社会と新たな価値創造について発信した。

4つ目に「パビリオンのレガシー」もある。我々のパビリオンとオランダパビリオンを兵庫県淡路島へ移設し、地方創生のモデルケースを作りながら関西経済の活性化に貢献していく考えだ。

一方、2026年5月期から始まる5カ年の中期ビジョン「PASONA GROUP VISION 2030」では、「BPOソリューションの高付加価値化」「地方創生・観光ソリューションの深化」「新産業の創造」の3つを重点戦略に掲げる。

このうち「地方創生・観光ソリューションの深化」については、淡路島で農業体験付きの滞在施設「はたけのリゾート 燦燦(さんさん)Villa」や、旅館をリニューアルした和モダン ウェルネスステイ「洗心和方(せんしんわほう)」、またアニメ×テクノロジー×自然をテーマにした新感覚テーマパーク「ニジゲンノモリ」で、「進撃の巨人」とのコラボイベントなどを展開する。さらに今夏、食・運動・睡眠を軸に心身の状態とコンディションを整える滞在型未病リトリート施設『THE PASONA natureverse retreat』もオープン予定だ。

このような取り組みを通じ、今後も淡路島で万博のレガシーを生かしながら、新たなWell-being産業を創造し、真に豊かな世界「NATUREVERSE」の実現を目指していきたい。

この記事が気に入ったら
いいね または フォローしてね!

  • URLをコピーしました!