2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)開幕まで200日を切った2024年9月28日、Z世代とともに万博について考えるイベント「日経EXPOフォーラム Z世代と考える未来社会」が大阪国際会議場(大阪市)で開催された。
メイン会場では、総合司会のウーデン・ジェニファー里沙氏(テレビ大阪アナウンサー)とともに、立命館大学3年生の國分彩生氏と関西大学3年生の田井豊浩氏が学生司会を務めプログラムを進行。基調講演、5テーマの未来共創セッション、2社の協賛講演が行われた。
隣接するフロアでは、企業・団体や海外参加国、学生団体、自治体など約40のブースが出展し、間近に迫った大阪・関西万博に向けて機運を盛り上げた。
本記事では、「サステナブル(持続可能性)」と「パビリオン」をテーマにした2つの未来共創セッションと学生団体によるブース展示の一部をお伝えする。
【未来共創セッション③】万博で『知る』 最新技術とサステナブルが拓く未来!
【未来共創セッション③】
万博で『知る』
最新技術とサステナブルが拓く未来!
ファッションで学ぶ
最新技術とサステナブル
このセッションでは、身近なファッションを通して最新技術やサステナブルについて考えた。冒頭、永野氏は着ている人の体温などをもとに最適の温度に自動調節する衣服を開発中で万博に出展予定であることを紹介。「サステナビリティの面からどんな利点があるか?」と坪田氏が尋ねると、「冷暖房を使わなくてよいので二酸化炭素(CO2)削減につながる。社会や人々の課題を解決し続ける価値のあるものがサステナブルな製品だと思う」と永野氏。
「今はプチプラ(低価格)ファッションがトレンドで、服の寿命が短く古着としての価値もつかない。環境にやさしい服選びのポイントは何か?」という福塚氏の問いには、「重要なのは、価格ではなく、長く着たいと思えるかどうか」と加藤氏が答えた。
最後は、各登壇者が感想やメッセージをコメント。坪田氏は「このイベントがいい経験になった。皆さんも、万博を通じて考えたり知識を深めたりしてほしい」と呼びかけ、永野さんは「一歩踏み出して行動を。それが、よりよい日本につながる」と語り、アクションを促すような前向きな意見で締めくくった。
【未来共創セッション④】万博で『観る』 パビリオンで見る新たな未来!
【未来共創セッション④】
万博で『観る』
パビリオンで見る新たな未来!
大阪の魅力発信
ヘルスケアパビリオン
セッションは、レニエ氏によるフランス館のプレゼンテーションからスタート。「フランスは愛の国。自己愛、他者愛、自然愛、仏日の相思相愛など、人間、自然、世界を結びつける『愛』がフランス館のコンセプトだ」と説明した。具体的な展示内容については明かさなかったものの、「フランスの美食を体感できる料理を提供する」と話した。
続いて、山下氏が大阪ヘルスケアパビリオンについて、日本館に次ぐ規模であることや、「REBORN」をコンセプトにさまざまなコンテンツがあることなどを説明した。山下氏は「産官学の力を結集し、大阪の魅力と活力を世界に発信したい」と意気込みを語った。
七野氏が「日本では私たち学生が社会に与えられる影響が少ない」と相談すると、レニエ氏は「学生は社会を動かすエンジンになる、ぜひ頑張ってほしい」とエールを送った。
成氏は「若者たちが未来の医療にどう関われるか?」と質問。「病気になる前に対策するヘルスケアなど、医療分野のすそ野を拡げていく」と山下氏が答えた。
最後に宮内編集委員が登壇者に感想やメッセージを求めると、「レガシーになる万博にしていきたい」(成氏)、「開幕前から学びや出会いを与えてくれているので本番にも期待している」(七野氏)といった学生からの言葉に対し、山下氏が「現場で感じるワクワク感は別格だ。精一杯おもてなしするのでぜひ会場へ」と万博への来場を促した。
レニエ氏は、「1970年の大阪万博は、最も成功した万博としてレジェンド的な存在だ。だからこそ、私たちは大阪での万博に力を注ぐ」と話し会場を盛り上げた。
【Event Report】ずらり並ぶ多彩な展示 来場者との交流活発に
【Event Report】
ずらり並ぶ多彩な展示
来場者との交流活発に
講演会場に隣接するブース展示会場には、企業や学生団体、大阪・関西万博参加国によるブースが約40出展し、出展者と来場者が交流した。
大学・学生団体からは18のブースが出展。関西の学校が多く名を連ねる中、関東の学校が中心の「学生団体おりがみ」や、「岡山県から万博を盛り上げる」をコンセプトに活動する岡山大学の「OU!万博」など、他地域からの参加もあった。
甲南女子大学の「T×SDGs」はブース内でワークショップを実施。2040年に「なってほしい未来」と「なってほしくない未来」を来場者に書き出してもらい、ボードに貼り出した。
結果はイベント最後の交流会で発表し、「社会人よりも学生のほうがより具体的な内容を答えていることが印象的だった。『なってほしい未来』は、現状の不安や不満の裏返しなのでは」という考察に来場者や他の出展者は興味深く聞き入っていた。
甲南女子大学の「T×SDGs」はブース内でワークショップを実施。2040年に「なってほしい未来」と「なってほしくない未来」を来場者に書き出してもらい、ボードに貼り出した。
結果はイベント最後の交流会で発表し、「社会人よりも学生のほうがより具体的な内容を答えていることが印象的だった。『なってほしい未来』は、現状の不安や不満の裏返しなのでは」という考察に来場者や他の出展者は興味深く聞き入っていた。