進化続けるBリーグオールスター 長崎の取り組み

2026年1月16~18日、国内男子プロバスケットボールBリーグ「りそなグループ B.LEAGUE ALL-STAR GAME WEEKEND 2026 IN NAGASAKI」が長崎市のハピネスアリーナで開催され、3日間で1万5983人のファンが詰めかけた。「地域創生」を掲げ、地域ともに成長してきたBリーグは、いかにして地域社会を元気にするのか。大会責任者への取材を通じ、その取り組みと思いに迫った。

長崎の街全体がバスケットボール一色に染まったBリーグオールスターゲーム。今回の開催は、単なるスポーツイベントにとどまらず、地域活性化と未来への投資という明確なビジョンのもとで行われた。

まず最初に大会責任者である、公益社団法人ジャパン・プロフェッショナル・バスケットボールリーグ イベントプロデュースグループマネージャーの渡邊嶺氏に話を聞いた。渡邊氏は開催コンセプトについて「地域創生と革新性」と語る。Bリーグではクラブが中心となり、自治体などと協力して立候補し、評価をもとに開催地が決まる仕組みを採用しており、長崎も公募によって選ばれた。背景には、ハピネスアリーナなどを含む複合施設、長崎スタジアムシティの誕生がある。バスケットボールを通じて人の流れを生み、街の魅力を再発見してもらいたいというクラブと自治体の思いが、今回の開催につながった。

公益社団法人ジャパン・プロフェッショナル・バスケットボールリーグ イベントプロデュースグループマネージャーの渡邊嶺氏

約2年に及ぶ準備期間中、渡邊氏が最も意識したのは「熱狂を一過性で終わらせないこと」だという。地元クラブ・長崎ヴェルカを軸に、子どもたちが継続的にバスケに親しむ環境づくりを目指した。小中学生約500人を対象としたバスケットボールクリニックを実施したほか、浜の町アーケードには選手のビジュアルアートを設置し、観戦客に街への回遊を促した。

今回は初のアリーナを基軸とした3日間開催となった。加えて、アジア選抜、若手選抜、九州選抜、B2選抜で争うアジアクロストーナメントなど新たな試みも導入した。さらにJR長崎駅近くの大型コンベンション施設「出島メッセ長崎」では、チケットなしでも楽しめる体験イベント「りそなグループ B.LEAGUE ALL-STAR FES」を開催。子ども向けブースや地元自治体の出展など、スポーツと地域が一体となって盛り上げた。

来年のB.LEAGUE ALL-STAR GAME 2027は名古屋市のIGアリーナで開催を予定している。渡邊氏は「開催地を変えながら、より多くの人にバスケを知ってほしい」と語る。過去の開催地では、子どもたちの将来の夢に「バスケットボール選手」が上位に挙がった例もあり、オールスターが人生に与える影響の大きさを実感しているという。

バスケ未観戦者へのアプローチについては「答えは誰も持っていない」としながらも、アーティストやキャラクターとのコラボ、マスコットの行進など、小さなきっかけを数多く散りばめる重要性を強調した。

オールスターは、熱狂の3日間で終わる祭典ではなく、街と人の未来を動かす装置として進化を続けている。その挑戦は、長崎から次の開催地へと確かに受け継がれていく。

学生取材班:松尾康佑(長崎大学)

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