おばけと学ぶ未来のエネルギー

日本ガス協会は、2025年大阪・関西万博において、「化けろ、未来!」をコンセプトにした体験型パビリオン「おばけワンダーランド」を出展している。このパビリオンは、環境にやさしい未来の都市ガス「e-メタン」などのエネルギー技術を、楽しみながら学べる場となっている。

来場者は、案内役のおばけキャラクター、ミッチーに導かれ、XRゴーグルを装着しておばけに変身する。夢のような世界を体験しながら、メタネーション技術で誕生するe-メタンについて学び、未来のエネルギーと自分の暮らしとのつながりを感じることができる。体験は、幻想的な空間から一転して、みんなで力を合わせて街を救うチャレンジへと展開。エンターテインメント性と教育的要素を融合した構成が特徴だ。

さらに展示エリアでは、全国の小学生約700人が書いた「わたしの『化ける』宣言カード」を掲示している。環境授業の一環として児童たちが「CO₂を増やさないために今日からできること」を自ら宣言したもので、来場者も自分自身の行動を見つめ直すきっかけとなる。

館長の金澤成子さんは、「伝えたいことをシンプルに、分かりやすく伝えることにこだわった」と語る。複雑なテーマでも、おばけというキャッチーなキャラクターを通じて親しみやすく表現することで、印象に残りやすい構成を意識したという。

実際に来場者からは「楽しかった」「印象に残った」といった好意的な声が多く寄せられており、パビリオンは幅広い世代に環境意識を届ける場として好評を博している。

また、万博終了後も取り組みは続く。パビリオンは3R(リデュース・リユース・リサイクル)を意識した建築設計となっており、解体後の再利用を前提にしている。日本ガス協会は、万博をきっかけに、2050年カーボンニュートラルの実現を見据えた取り組みを加速させていく考えだ。

「おばけワンダーランド」は、ただ楽しむだけではなく、未来のエネルギーと社会のあり方について、自分自身の行動に目を向ける契機となる。子どもも大人も、「化ける」ことで未来を変える力がある。日本ガス協会は今後も「化けろ、みんな!化けろ、世界!」をスローガンに、持続可能な社会の実現に向けた歩みを続けていく。

学生取材班:髙橋章一郎(岡山大学)

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