九州のZ世代 万博への関心高く
「大阪・関西万博」開催まで400日となった2024年3月9日、「日経EXPOフォーラム『Z世代と考える未来社会』in九州」と題して、 Z世代とともに万博を考え、楽しみ方を知るイベントが開催された。同テーマのイベントは万博開催地である大阪で2023年秋に実施しており、今回はアジアの玄関口でもある九州での開催となった。
会場となった博多駅前の福岡ファッションビルには、万博に関心がある若者たちを中心に約200人が来場した。司会進行は地元、九州大学大学院の小川竜矢さんと北九州市立大学の前田希美さんが務め、大阪・関西万博についての様々なセッションが行われた。
スペシャルトークセッション「“万博”と“それぞれの居場所”」
「課題先進国」日本から 解決策の提示を
現在70歳という大崎さんは、高校2年のとき1970年の大阪万博の会場へ足を運んだという。その時に見たものや驚いたことなど、を話すと会場の若者たちは興味をそそられた様子。
大崎さんは「70年万博のころは、高度経済成長がピークに達し、昨日より今日、今日より明日が幸せになると、皆明るく笑顔だった。55年後の2025年万博で、日本は世界に何を届けるべきか。少子高齢化、自然災害、環境問題など、『課題先進国』である日本だからこそ、さまざまな社会課題解決の提示を行うべきだ」との考えを示した。世界中の叡智を結集し、課題解決へと導くきっかけになれば、万博を開催する大きな理由になる。今の時代、利益にならなくても誰かのためになることをしたいと考える若者が多いことにも言及し、Z世代に大きな期待を寄せた。
「若い人たちからどんどんアイデアがほしい。それを我々が支え、寄り添うことで、実現へと導く。新しい共同体のかたちになるのではないか」と大崎さん。エンターテインメントの世界で荒波を乗り越え紆余曲折(うよきょくせつ)を経てきた経験からの頼もしい言葉に、会場の若者たちは意欲を掻き立てられた様子だった。
未来共創セッション②「電力館の取組の現状~Z世代とのコラボレーションに向けて~」
世界的課題のエネルギー問題 電力館への期待も高く
まずは、電気事業連合会が出展するパビリオン「可能性のタマゴたち」について、岡田さんより説明があった。スクリーンに卵型の美しいパビリオンの外観映像が映し出され、来場者は卵型のデバイスを手にさまざまな体験ができること、カーボンニュートラルの世界観を提示しエポックメイキングな取り組みを行いたいこと、またエンターテインメント性を重視し、楽しんで学べる展示になることが紹介された。
「電力館のステージで来場者に『あなたにとって豊かな生活とは?』と聞いてみたい。そうすることで必要なエネルギーが実感でき、改めてエネルギーの大切さを感じられるのではないか」とレイクさんが話すと、福寺さんは「エネルギーの自立という観点で見ると、国全体が同じではなく、都市と地方で状況が違う。未来へ向けて問題意識を持つべきだ」と発言。電力館でエネルギー問題がどのように表現されるのかへの関心の高さが伺えた。
「今日は、来場した皆さんと一緒に何かをやりたいという思いを持ってやってきた。いろいろなテーマを題材に、Z世代とイベントができると良いと思う」と語った岡田さん。来場したZ世代が万博を“自分ごと”と捉える大きなきっかけとなっただろう。
講演後も熱気冷めず 交流会も盛況
すべてのセッションが終わると、司会者が「万博の考え方を知り、我々の世代が未来に向けて何ができるのかを考える良い機会になった」と締めくくった。
ステージの後方には、万博に出展する国や団体、また万博に向けてさまざまな取り組みを行う企業や学生団体のブースが設けられており、プログラム終了後の交流会では、各ブースに入れ代わり立ち代わり若者たちが訪れ、積極的に意見交換した。
登壇した坂口さん、金子さん、大崎さんも参加し、多くのZ世代の若者たちと対話。双方実りある時間を過ごしたようだった。