提供:セブン-イレブン・ジャパン
少子高齢化、人手不足、環境対応…持続可能な社会への移行が求められる中、
セブン-イレブン・ジャパンは新たな便利や豊かさの形を模索している。
大阪・関西万博の会場内に設けた未来型店舗を舞台に、
学生たちと未来のコンビニについて対話。
次世代を担う若者はどんなバトンを受け継いだのか。
セブン-イレブンの
未来型店舗で考える
次の時代の
「便利さ」とは
@Expo 2025
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「来店客自らが調理して働き手不足に対応できないか」「環境に配慮した取り組みは投資的に割に合うのか」――。鋭い質問が次々と飛び交う。質問しているのは万博会場内のセブン-イレブン西ゲート店を見学する、大学生や大学院生だ。
2030年の姿を思い描いたという同店では、環境に優しい商品や設備、業務効率化を促す機器などが備えられている。25年9月1日、全国から集まった20人の学生は「売場・品揃え」「事務所」「調理室」「バックルーム・サイネージ」の4つのチームに分かれて、担当社員から説明を受けた。
▲万博会場内の「西ゲート店」の全体図。未来に向けた様々な挑戦を具現化した実証型店舗と位置付けている
「売場・品揃え」では環境への負荷軽減に貢献する商品を中心に紹介された。「事務所」では天気やイベントなどの情報から顧客の購買行動を予測していることなどが伝えられた。「調理室」でファストフードの調理方法、「バックルーム・サイネージ」で店舗を支える設備も紹介された。
普段は見ることができない裏側や、何気なく配置されている商品や機材の隠された意義に興味津々の学生たち。商品を実際に手に取ってみたり、思い浮かんだ疑問を率直にぶつけたりして、少し先の未来を肌身で実感した。
持続可能な社会へ
取り組み続々
学生たちが訪れた西ゲート店は、持続可能な社会を目指すための取り組みであふれている。
こうした取り組みはいずれ、当たり前のものになるかもしれない。
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環境配慮
省エネ効果のある電子値札
商品の棚に取り付けられた電子値札は、店内の照明で発電するため省エネ効果がある。色素増感太陽電池を組み込んでおり、小売店舗への設置は日本初だ。
床の一部には人が歩くと発電する「発電床」を設置した。足で踏んだときの力を電気に変換する仕組みになっている。実際に自分たちの足で踏み、発電されたことを示す光が点灯すると驚く学生たちもいた。 -
商品開発
大豆由来の原料を使った
サンドイッチで二酸化炭素削減
大豆由来の原料を一部使い、卵の風味や食感を再現したたまごサンドは二酸化炭素(CO2)排出量削減に貢献できる。担当者は学生に「おいしい上に環境にも優しい」と話した。廃棄されることもあるおからを混ぜた辛子明太子おにぎりもある。商品を包む包装はバイオマスを配合した素材を使っており、外側も中身も環境に良い商品開発を目指している。
このほか廃棄する卵を活用し、繊維素材を一部に使用したソックスも店内で販売している。 -
買物体験
店内調理で食品ロス削減も
ファストフードの提供も、持続可能な社会に向けた取り組みとなっている。注文を受けてから店内で調理するため、食品ロスをなくせると期待できるからだ。食品ロスの削減は、廃棄物を出さない循環型経済実現のカギとされている。
ピザやたい焼きなど品ぞろえも充実。担当者は「出来たてのものが食べられるので、セブンーイレブンに来る目的の一つになるかもしれない」と語った。学生たちも見学後に試食した。
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「地域参加型の店舗があったら面白そう」「確かにそれならお客さんとの双方向のコミュニケーションが図れるね。パーソナライズされたものが求められている今の時代にも合っている」――。皆、真剣な表情だ。変化し続ける社会を前に、これからのコンビニはどうあるべきか。学生と現役社員による白熱した議論が一日のクライマックスとなった。
西ゲート店の見学を終えた学生たちは万博会場内の「フューチャーライフヴィレッジ」へと移動し、社員との対話型ワークショップに臨んだ。テーマは「20年後のセブン-イレブンのあるべき姿とは」。
冒頭、赤澤太一・大阪・関西万博PJ サブリーダーがセブン-イレブン・ジャパンの環境配慮や自動化などの取り組みについて講演。「楽しみながら国や世界の豊かさに貢献していきたい」と語りかけた。
学生はその後5つの班に分散。5班にはそれぞれ「サービス」「設備・機器」「商品」「環境配慮」「省人化」のお題が与えられた。各班では学生が20年後の自分や社会の姿を想像した上で、どのような取り組みがあればよいかを社員と共に議論した。
「地域に寄り添った店舗が必要」「体が不自由な高齢者らでも利用しやすい工夫があったほうがいい」など少子高齢化による社会構造の変化を念頭に置いた意見が相次いだ。また、人手不足に対応するためAI(人工知能)を積極的に活用する提案が出た一方、「人間の温もりを感じられる場所であってほしい」という声も上がった。「店舗で働く外国人労働者との共存が今後さらに重要になる」「消費者への訴求力をどう高めるかが課題」といった指摘もあった。社員もメモを取ったりフィードバックをしたりして積極的に交流。ワークショップは大盛況のうちに幕を閉じた。
視点は十人十色
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地方は広い土地があるのに有効活用されていないところが多い。そうした場所を利用して、一日中作業ができるコワーキングスペースのようなものを作れれば面白い
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店舗内 にAIを使った相談窓口があってもいいかもしれない。例えば子育てに関する悩みや医療についての相談ができれば、コンビニがより身近な存在になるのでは
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体に優しい健康食品や自然に配慮した商品が今後さらに求められると思う。人とのつながりや出会いを大切にする場所でもあってほしい
参加した高木葵凪さんは「理想の20年後を実現できるよう、自分たちができることから始めていきたい」と決意を新たにし、川見巖流さんは「SDGs(持続可能な開発目標)達成のために企業が率先して取り組んでいることが分かり勉強になった」と満足げだ。二人の表情はとても晴れやかだった。
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セブン-イレブン・ジャパンは万博の会場外でも、社会に新たな価値を提供するため様々な知恵を絞っている。そのうちの一つが、東京都八王子市の南大沢エリアで実施している自動走行ロボットによる配送の実証実験だ。同エリアにある2店舗から約2キロメートル圏内に住む人が、セブン-イレブンの商品お届けサービス「7NOW」を使って商品を注文し、お客様がロボット配送を選択すると、屋外型自動走行ロボット「LOMBY」が商品を届けに行く。ロボットは信号や横断歩道、障害物などを認識できる。人間が遠隔で監視するものの、公道では無人で走行する。5月から始まった同実験は、26年2月末まで続けられる。
◀︎▲自動走行ロボットを使い、配送の新たな形を模索する
南大沢周辺は坂道や階段が多いため、高齢者が買い物に行きにくいなどの課題が指摘されていた。セブン-イレブン・ジャパンは実証実験を通じて「買い物に伴う移動時の負担軽減につなげる」としている。少子高齢化や将来的な配送員不足といった社会課題に向き合いつつ、次の時代の「便利さ」を模索し続けている。
今回、ワークショップなどで学生たちと交流した社員の一人も「変わり続ける世の中に、今後も対応していかなければならない」と話す。セブン-イレブン・ジャパンの挑戦は続く。